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■【障がい者(障害者)就職・採用・転職ノウハウ】

第29回「就職・転職ケーススタディ 事例-17『特例子会社のリーダー候補』」

さて、今回もレアなケースと言ってよいお話です。

何がレアかというと、求人企業が特例子会社であることです。通常、特例子会社が障害がある方を採用する場合、会社のある地元のハローワークを中心に、行政や学校・NPOなどと連携して人材の採用をすることが多いようで、弊社のような民間・有料紹介エージェントに依頼されることは、めったに無いと思います。

ところが、先日ある大手企業の特例子会社から電話が入り「リーダー候補となる人材」を求めている、とのリクエストをいただきました。ハローワークでも探しているが、アンプティパさんには、良い人がいらっしゃいますか?とのこと。今回は、そのポジションに決まった免疫機能障害 1級のSさんのお話です。

■Sさんの事例

■ 年齢/性別: 40代・男性
■ 在 住 : 東京都
■ 障 害 : 免疫機能障害 1級
■ 業界/職種: 特例子会社/事務受託部門

■手帳開示の転職と、非開示の転職を経て

お金ではなく、存在意義を感じられる職場で働く

Sさんは大学工学部を卒業後、部品メーカーで設計の仕事から始めて、ネット広告の業界へ転職し営業を経験しました。そんな折、春に体調が悪くなり検査したところHIVと診断され、当初は非常に体調が悪く入院をし、医師のアドバイスを受けて免疫機能障害で1級の手帳を取得しました。その後の療養と3ヵ月に1回の通院・日々の服薬で、以前の健康なときと同等以上の体調にまで回復しました。

就職活動において手帳を開示しての活動は苦戦を強いられたものの、秋にカード会社での顧客対応部門で障害者枠の正社員として採用されました。そこで約2年半勤務し、会社からは高い評価を得ていたのですが、彼の部門は24時間体制で常に繁忙な部署のため、障害者として配慮(時間の制限)を受けながら、自分の体力のギリギリまで働くスタイルを、5年・10年と続けることは困難と感じて退職を決めました。

その後、再び手帳を開示・非開示の両方の就職活動を行った結果、非開示での派遣社員として就業しました。そして、期間満了で離職した後、春に弊社へ登録されました。

■直感で“ピンと来た”Sさんの人柄

アンプティパでは、免疫機能障害の方を受け入れる体制が整っている求人企業の開拓に苦戦をしており、春の時点でSさんに紹介・推薦できた会社は1社だけでした。しかしながら、会社の求めるスキルと彼の経験・スキルがマッチせず残念な結果に終わり、以後、紹介・推薦ができない状態でした。

Sさん自身も就職活動を継続していましたが、なかなか決まらなかったようです。“手帳を非開示でも40代になれば就職が厳しいのは仕方ないから”と、「WEB関連のスキルを身に付けるために職業訓練校で技術を習得して出直そう!」と秋から半年のWEBエンジニアコースに入学されました。

普通は、訓練校に秋入学・半年コースと聞くと、求職中ではなく就職活動・停止中となり、求人の候補に考えることは無いのですが、11月に特例子会社からの求人依頼をいただいたときに真っ先に候補者として頭に浮かんだのがSさんでした。けれどもやはり、就学中のSさんにとって即面接や、ましてや就業となると難しい話になります。そのため、別の免疫機能障害1級の方が第一候補としてあがりました。

ちょっと余談ですが、今回の特例子会社の求人条件は、親会社から受託しているメール室業務や入力事務などの各部のリーダー職です。そこで働く様々な障害のある社員と一緒に、最初は新人メンバーとしてスタートしてもらいますが、将来的には部門のリーダーとして、障害のある社員のフォローをしつつ、指導・育成・マネジメントもお願いすることになります。先方の希望としては、「そんな人材を、できれば年内に採用したい!」 というものでした。

私も、最初に配属される予定の部署を、事前に見学させていく機会がありましたが、20代から60歳近くまでの幅広い年齢層で男女比も半々、知的障害・精神障害・視覚障害や四肢麻痺など、本当に文字通り様々な障害のある社員さんが、突然の訪問者である大畑にも、元気に挨拶をしてくださいました。

その現場を見たときに、まさに”ピンと来た“のがSさんでした。何がピンと来たかというと、性別年齢でも彼のキャリア・経験でもなく、ましてや障害の内容でもなく、Sさんのお人柄がピンときたのです。

特例子会社からは、要望している人材に合致するなら、年齢・性別・障害内容・経験・スキルは不問と言われていたので「免疫機能障害の方でも、本当に大丈夫ですか?」と、今思えば大変失礼な確認をしたのを覚えています。それに対し、「はい、要望した仕事ができる方なら障害の種類が、精神でも、知的でも、免疫でも、何も問題はありません“」と回答をいただいた時は、恥ずかしいのと嬉しいのが半々の複雑なキモチでした。いや多分、恥ずかしさで赤面していたのではないでしょうか。

さて話を戻します。

予定通り第一候補の(Sさんではない)免疫1級の男性に、求人の説明をして応募の意思確認も済んだので特例子会社へ推薦をしました。彼も3ヵ月に1回程度の通院以外には特に配慮は必要なく、Sさんと優劣つけがたいくらい先方のご要望には十分な人材でした。ただ、「特例子会社で働くことが、果たしてご自身のキャリアプラン・ライフプランにマッチするのか?」と面接で先方の会社を見て、疑問を感じていらっしゃいました。

こうなると、ひょっとしてSさんも特例子会社という環境を望まないのではないか…?と心配になりましたが、最初の直感を信じて、就学中のSさんに連絡をとり、大畑の思ったことと先方のご要望をお話しました。前述で“ピンと来た”と表現したSさんのお人柄というのを改めてここで説明したいと思いますが、一言でいうと「受容力がある方」であり、もうひとつ加えるなら「気遣いのできる方」ということになります。

今回のお仕事紹介は、まったく根拠のない大畑の直感でした。それにもかかわらず、Sさんは「大畑さんがすすめてくださるなら、喜んで応募しましょう!」と会社のこと・業務内容・お給料のことは二の次で快諾してくださいました。職業訓練校での勉強も2ヵ月が過ぎ調子が出始めていた時期でしたが、Sさんが応募を承諾されてからは、面接・内定までトントン拍子に進みました。

■お金ではなく、存在意義を感じられる職場で働く…という選択

先に紹介していた第1候補の方は結局辞退されたのですが、特例子会社側も2人目の候補者であるSさんで即内定を出され、ご本人もそれを受けました。内定のポイントを先方に確認したところ、やはり特例子会社ならではの「多様な障害のある社員とのコミュニケーションが取れる方」という条件を考えた際に、Sさんはどんな人でも受け入れる幅広い受容性と優しさをお持ちだったと判断できたことが、最大のポイントだったそうです。

もしかしたらSさんは、職業訓練校でのWEBの勉強を修了して、障害者手帳を非開示として、一般の中途採用のWEB系の求人に応募していたかもしれません。そして、採用されれば間違いなく特例子会社より高い給料を貰うことができたでしょう。しかし、Sさんは特例子会社の内定を受諾された時に「私は、お金よりも自分を必要としてくださるところで働くことの方が良いと思う」とおっしゃってくださいました。


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