■【障がい者(障害者)就職・採用・転職ノウハウ】
第27回「就職・転職ケーススタディ 事例-15『上司は選べないけど、会社は選べる』」
今回は、春にアンプティパに登録をされたQさんが、辛い経験を乗り越えて、頑張っていらっしゃるお話しです。
Qさんの事例
■ 年齢/性別: 30代・女性
■ 在 住:神奈川県
■ 障 害:聴覚 2級
■ 業種/職種:メーカー/一般事務
上司は選べないけど、会社は選べる!
Qさんは生まれた時から聴覚に障害があったのですが、聾(ろう)学校でなく普通校に進学し、経理の専門学校を卒業しました。卒業後、新卒で入社した大手メーカーでは新入社員として経理部に配属され、12年を越えて勤務しましたが、会社の組織改革などにより勤務場所が遠くなったため退職されました。その後は、調理専門学校で調理の勉強をされるなど、ご自身の興味あることに対して積極的に行動するアクティブな女性です。
そんなアクティブなQさんが弊社に登録された際には、「できれば経理のお仕事で!」と、希望の仕事も明確で、既に応募されている企業も複数ありました。そして、その時の“ご縁”は、ご自身で参加したハローワークの合同企業説明会で出会ったあるメーカーから内定が出ました。
「ではお仕事を頑張ってくださいね!」とお伝えすると、
それを最後にしばらく連絡は途絶えておりました。
ところが、それから半年が経ったこの秋に、Qさんからアンプティパに1通のメールが届いたのです。
「退職しました」…Qさんからの1通のメール
ここで、ちょっと余談なのですが、私どもの仕事である“人材ビジネス”というのは、求職者(個人)と求人者(企業)の間で双方の希望や条件をお伺いして、お互いが納得・合意して働く・雇用することを「調整する」サービスです。仕事が決まる前でも、決まった後でも、何か問題が発生した場合は、一方だけのお話しを聞いて状況判断をすることは無く、必ず双方のご意見・お話しを伺うことを原則としています。
ただ、今回のケーススタディーでは、Qさんは弊社の登録者であり私どもの“お客様”にあたりますが、Qさんが就業されたメーカーは、ハローワークの仲介であり我々がご紹介して就職が決まったというわけではありませんでした。そのため、Qさんのことで、私どもが直接お話を伺うことはできない…という事情があること。また、いつものことですが、このコラムは筆者の個人的な主観・意見であるということを、予めご了承いただければと思います。
では、本題に戻りましょう。 Qさんから届いたメールには「就職先のメーカーを、トライアル雇用の期間満了で延長なく退職した。」という旨が記述されていました。「退職しました…」という内容から簡潔に始まり、入社した先の職場で経験した辛いこと、そこで抱いた悲しい気持ち、それでも我慢をしたことが綴られていました。 「何はともあれ、とにかく会って、詳しいお話しを伺いたい。」とお返事をして、後日、弊社のオフィスでQさんとお会いすることになりました。
直接詳しいお話を伺ってみると、問題は、ある特定の社員さんの言動であることがわかりました。Qさんは、決してその人を非難するのではなく、その人の発言や行為を指摘され、ご自身が悲しく、辛い気持ちになったのだと仰いました。また、問題の2人を除いた他の社員さんや会社自体には問題は無く、もし違う部署で働くことができたならば、辞めることなく続けていたであろうということもお話になりました。
聞くところによると、残念ながらその問題の2人のうちの1人は彼女の上司にあたる方だったため、状況が改善されるならば継続勤務を希望したQさんは、その上司の判断で“会社都合退職”とされたそうです。
“上司”は選べないから“会社”を選ぶ…という選択
しかしQさんのお話は、そうした“退職の経緯”については半分ほどで、残りの半分は、これから先のライフプラン、キャリアプランなど前向きな相談でした。現在30代のQさんが、40代・50代・・・と今後の人生をどのように過ごしたいのか?そして、その夢を実現するために、どんな仕事を続け、どの程度の収入があれば良いのかなど等。その
詳しい内容は…、弊社とQさんの秘密です(笑)。
実は、Qさんにもお話ししていますが、このメーカーは筆者も知っている会社で、大企業であり将来性も高く、非常に素晴らしい会社です。けれども、会社が大きいだけに、組織では多数の人間が働いていて、その中には多種多様な人々がいるものです。また、会社に入った後、部署に配属されると、そこには先輩がいて上司が待っています。そして、普通のサラリーマンは、“上司”を選ぶことはできません。
今回の場合、配属先でQさんを待っていたのは辛い上司でした。そのため結果的にQさんが会社を辞めざるを得ない事態になったことは残念なことですが、そこで無理や我慢をして、自分らしさを失ってしまうより、新しい会社を選ぶ道を選択したことは、彼女にとってはきっと良い選択だった…と、思っています。
大切なのは“わからないかも?”のキモチ
最後に、聴覚障害とはコミュニケーションの障害でもあり、健常者が配慮したつもりの発言や筆談でも、聴覚障害の方には、その言葉や文章が正しく理解されていないことが多々あります。ましてや、言葉の背景や発言者の意図するところを、聴覚障害の方に読み取ってもらうことは困難なことです。
同じことを何度も確認するのを煩わしいと思うこと等は論外ですが、「何度も聞き直すのは悪いかな・・・」などとコミュニケーションが消極的になってしまうと、言いたいことが正しく伝わらず、誤解が発生する可能性もあります。たとえ、1つひとつは些細な誤解でも、それが続き、重なっていくと、最後は意志の疎通ができない関係になってしまうこともあります。
Qさんは、筆者がなかなか彼女の発声を理解できなくても、省略することなく丁寧に、綺麗な字でノートに筆記をして、それを何度でも繰り返してコミュニケーションをとろうとしてくださいました。彼女の言いたいことを全て、本当に筆者が理解できていたのか。そして、私の汚い手書きのメモで相互の理解は十分だったのか…。一抹の不安はありますが、大切なことは「分かるよね?」ではなく「分からない(伝わらない)かも?」の気持ちだと感じています。
ん?「上司は選べない」だけじゃなく、「部下も選べない」もあるのでは?
まぁその話は、またいつかにしましょう!
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