■【障がい者(障害者)就職・採用・転職ノウハウ】
第24回「就職・転職ケーススタディ 事例-12『実は、履歴書の記載にウソが…』」
今回は、採用選考のときに提出した履歴書の記載内容が、事実とは違っていたことが、入社した後で分かったケースをお話します。
Nさんの事例
■ 年齢/性別:20代後半・女性
■ 在 住:千葉県
■ 障 害:上下肢 5級
■ 業種/職種:不動産/総務人事事務
実際の経歴・職歴
“ウソ“はダメ、逆転の発想で“武器“にする!
20歳で短大を卒業し都銀に就職したNさんは、入社した年の夏に交通事故で瀕死の重傷を負うトラブルに巻き込まれました。当時の主治医は「助からない可能性の方が高い」とご家族に宣告して、大手術を行ったそうです。しかし、幸いなことに先生の見込みは外れてNさんは回復し、半年を越える入院を経て銀行に復職。その後、支店の事務職として2年勤務しました。
しかし、事故の後遺障害として足や肩・腕の麻痺が激しくなり、改めて入院・手術を行うことになりました。そのために、丸2年勤務した銀行を春に退職し、再び約半年の入院・リハビリ生活を送りました。秋には事務受託会社の事務職として社会復帰し、2年半勤務しました。
大きな交通事故から約5年となる25歳の春、またしても麻痺がひどくなり、3度目の手術を受けることになりました。当時勤務していた会社は一旦退職。精密検査・手術・リハビリを何度か繰り返しながら、その年の年末まで治療に専念をしました。そして、翌年の初めから派遣社員として短期間の事務職をいくつか経験しつつ、完全に治らない麻痺を継続診察しています。この2~3年は大きな変化はなく現在に至っています。
Nさんがアンプティパに登録にお越しになったのは春で、年末に障害者手帳を取得されたばかりの頃でした。ご本人は障害者手帳を持つつもりは無かったそうですが、ご家族や周囲の方々からすすめられて申請をしたそうです。
20代・女性・事務職経験者、麻痺はありますが比較的軽度障害のNさんのような条件の方であれば、多くの障害者求人にマッチし、複数の企業で内定を取れる…と考えられるものです。少なくとも、私ども人材紹介エージェントは、そう判断します。
しかし、Nさんは色々なことが気がかりで不安もいっぱい、弊社がご紹介したいくつかの求人は辞退し、慎重に応募先を選びました。でもそんな不安をよそに、応募した会社からは無事事務職としての内定をもらうことができ、4月から就業スタートしました。
年金・保険の履歴が社歴・職歴にも結びつく
入社すると、その会社では原則全員、パート社員でも、契約社員でも、正社員の方でも、雇用されている社員は雇用保険に加入することになります(加入できないケースもあります。興味のある方は雇用保険第6条をご参照ください)。
同様に、労災保険、健康保険、厚生年金も、新しい会社に就職したら雇用主である企業が、これらの “社会保険”の加入手続きを行います(それぞれの保険・年金に、加入できる条件・加入できない条件は、別々に定められており、ルールの改正も時々ありますので、興味のある人は社会保険労務士さん等に尋ねてください)。
当然、Nさんも入社した会社で社会保険の手続きをするために、年金手帳や雇用保険被保険者証などの提出を求められました。しかし、Nさんは直ぐに提出せず、アンプティパ大畑に連絡をしてきました。
「履歴書には、最初の就職先である銀行の退職年月を**年9月と記載し、ブランクなく翌月の10月には次の会社へ転職したように書いたのですが…」
年金手帳を拝見していなかったため、ブランク無く銀行から次ぎの会社へ転職したと記載されている履歴書・職務経歴書に疑いを持つことが無かった私は、一瞬Nさんが何を言っているのか、分かりませんでした。でも、よくよくお話を伺うと、何度も手術したことや、その度に退職しているということが、応募の際不利になるのでは?と不安になり、最初の転職の際の半年のブランクを履歴書に記載せず、結果的に“隠して”しまったとのことでした。
以前「ケーススタディ -9」では、故意ではなく本人が知らないことで、履歴詐称と思われてしまうケースをお話しましたが、今回のケースは結果として”意図的に”退職した時期をずらしたことになってしまうわけです。
年金手帳には、企業に勤めている期間(正確には社会保険の加入・喪失の年月日)と会社名が“厚生年金”の記録として全て記載されています。逆に、そうでないとき(働いて無い時や、自営などの期間)は“国民年金”の保険料を納付していた期間が記録されており、保険料を収めて無い場合は空欄のままです。
一般的に失業手当をもらう時を除いては、なかなか意識することのない年金や保険。Nさんの場合も退職後は年金手帳を開いたこともありませんでした。それが、入社手続きで新しい会社に提出することになり、改めて確認してみると、“自分が記入していた履歴書の職歴と矛盾が生じてしまう”ということに気づいたのです。
雇用主(会社)がその気になったら社員の過去の雇用保険の記録も、もちろん年金も調べることができます。
“ウソ“はダメ、逆転の発想で“武器“にする!
「少しでも採用選考で合格する見込みを高くしたい!」という心情は良くわかりますし、背景には何度も大手術をしたことを伏せておきたい気持ちや、もしかしたら、巻き込まれた交通事故さえ無ければ障害があることも無く、もっと仕事ができるハズだったのに…など、ご自身の障害を受け入れきれてないお気持ちなどがあるのかも?と思いますが…やはりウソはいけません。
結論はまだ出ていませんが、Nさんは大畑と一緒に人事に出向き、事実を説明し、お詫びをして、会社の最終判断をお待ちしているところです。たとえ些細な事でも“ウソ”は、自分自身の信用を失うことに繋がります。せっかく「この人と一緒に仕事をしたい」 と思ってもらえ、内定を手にしたのに、非常にもったいない話ですよね。もしかしたら、会社の業務に携わることを許されなくなるかもしれないし、最悪の場合は懲戒処分の対象となるため、始末書を提出したり、懲戒解雇となることさえあります。
短い期間しか所属していなくても、ブランクが空いてしまっていても、それがあなたの職歴であり、それらがあってこそ今のあなたがあるのだと思います。「職歴が多いから」と履歴書の記載を変えるよりも、そうした経験・キャリアがどう糧になり、現在の自分の自信に繋がっているのか?をもう一度じっくり考えてみて、面接での自己表現の“武器”としてうまく活用できると良いですね。
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