
■ 【障がい者(障害者)就職・採用・転職コラム】
直近の厚生労働省の動き ~障害者雇用制度は「数」から「質」へ変われるか?~
月末から9月に入り、厚生労働省の障害者雇用をめぐる動きが続いています。今回の動きを時系列で追ってみました。
<8月31日>
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001743738.pdf
労働政策審議会の障害者雇用分科会で、「障害者雇用の質」と「法定雇用率の算定」が議論されました。その中でも注目されたのが、いわゆる「障害者雇用ビジネス」への対応です。厚生労働省は、こうした事業者を行政が把握し、ガイドラインによって望ましいサービスの在り方を示したうえで、必要に応じて指導・監督する方向を示しました。
<9月1日>
翌日の大臣会見でも、上野厚生労働大臣がこの問題について言及。障害者雇用ビジネスについて、「利用企業側の雇用責任が希薄化している」、「障害者の能力発揮の成果が、企業の事業活動に十分活用されていない」といった課題が指摘されていると説明しました。つまり、単に障害者を雇用して人数を増やせばいいのではなく、その人が企業の中でどのように働き、能力を発揮しているのかが問われ始めています。
<9月8日>
さらに9月8日の大臣会見では、障害者雇用ビジネスをめぐる個別事案について記者から質問が出ました。大臣は個別案件へのコメントは避けながらも、8月31日の分科会で議論された方向性について、「不適切な運営を行う事業者に対して、しっかりと是正を求めていく」という方向性に、おおむね賛同が得られたと説明。そして、具体的な方策の検討を続ける考えを示しました。
<9月15日>
そして、もっとも注目したいのは、9月15日に予定されている障害者雇用分科会です。議題は、「障害者雇用率制度等の在り方について」です。つまり、ここまでの議論が、「障害者雇用の数を増やす」だけではなく、「雇用の質をどう考えるのか」、「障害者雇用ビジネスをどう扱うのか」、「そもそも法定雇用率制度をどうしていくのか」まで、やっと進んできていると思います。
2026年7月からスタートした法定雇用率2.7%は、障害者雇用の「数を増やす」施策です。これまでは、まず「何人雇ったか」が重視されてきました。しかし、これからは、
「その人数は、どのような仕事をしているのか」
「企業の事業活動に参加しているのか」
「能力を発揮できているのか」
「長く働き続けられる環境になっているのか」
ということも、より問われるようになるのかもしれません。
ただ「雇用の質を求める」施策は未だ実行されていません。でも議論は進んでいるように見えます。障害者雇用が「数」から「質」へ、本当に変わるのか?引き続き注目しておきたいと思います。
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