■ 【障がい者(障害者)就職・採用・転職コラム】
明けましておめでとうございます。2023年・令和5年がスタートしました。 今年は4月1日から障害者法定雇用率が引き上げられる予定ですが、まだ厚生労働省から具体的な発表はありません。
昨年末(12月23日)には 2022年・令和4年の障害者雇用状況の全国集計結果が発表されました。
<民間企業>(法定雇用率2.3%) 雇用障害者数:61万3,958.0人 実雇用率2.25% 法定雇用率達成企業の割合は48.3%、対前年比1.3ポイント上昇
<公的機関>(法定雇用率2.6%、都道府県などの教育委員会は2.5%)
・ 国 :雇用障害者数 9,703.0人 実雇用率 2.85%
・都道府県:雇用障害者数 1万409.0人 実雇用率 2.86%
・市町村:雇用障害者数 3万4,535.5人 実雇用率2.57%
・教育委員会:雇用障害者数 1万6,501.0人 実雇用率2.27%
<独立行政法人など>(法定雇用率2.6%) 雇用障害者数:1万2,420.5人 実雇用率 2.72%
数字だけ見れば二つの区分だけ(民間・法定雇用率2.3%に対して実雇用率2.25%=マイナス0.05% & 教育委員会・法定雇用率2.5%に対して実雇用率2.27%=マイナス0.23%)「ここだけ若干の未達成ですが、概ね障害者法定雇用率を達成している」と厚生労働省から発表がありました。
でも雇用人数を合計すると、民間・約61.4万人+国・約9千7百人+都道府県・約1万4百人+市町村・3万4千5百人+教育委員会・約1万6千5百人+独立行政法人・約1万2千4百人=69万7千5百人しか障害者が雇用されていないという発表でもあり、障害者雇用の88%=約9割は民間企業で、民間企業の障害者雇用が日本の障害者雇用であるという発表でもあります。
そして障害者法定雇用率は5年毎に改定されることが法律で決まっています。今年はその5年毎の見直しの時期だから、4月1日に民間の法定雇用率が最低でも2.5%、もしかしたら2.6~2.7%にUPする見込みです。そうなると、12月末ごろに厚生労働省から「令和5年の障害者雇用状況の全国集計結果」が発表され、民間企業の実雇用率は令和4年の2.25%より微増したが未達成企業も多くなり…と言われることが既に分かっています。
障害者雇用促進法が国内の法人に法定雇用率を義務として課すことの是非はさておき、健常者と同じ事務を行っている障害者が手帳を開示して障害者枠での雇用となると、給与が健常者より低くなることが多い実態は改善されるべきことです。障害を持ちながら障害を伏せて働いている人、障害者手帳を持ちながら手帳をクローズで働いている人が多いのは、「自分は障害があります」というと給与が下がるリスクがあることが大きな要因です。
障害を持ちながら障害を伏せて働いている人、障害者手帳を持ちながら手帳をクローズで働いている人は、当然ながら厚生労働省が集計する障害者雇用状況の報告書には反映されません。もしかしたら障害を持ちながら障害を伏せて働いている人、障害者手帳を持ちながら手帳をクローズで働いている人の合計は、厚生労働省の統計で発表されている約70万人よりも多いかもしれません。雇用保険に入らない週20時間未満の短時間で働く障害者=厚生労働省の障害者雇用にカウントされない人々を加えたら、間違いなく100万人を超えると思います。
つまり現在の日本で働く障害者は、厚生労働省の定義では約70万人ですが、実際には100万以上、もしかしたら200万人以上の障害者が働いていると思うので、障害を持ちながら働く人が安心して「私は障害がある」と言える環境を作るために、一人ひとりの働く障害者が、一緒に働く障害に理解ある健常者と共に、理不尽な待遇・環境があればその実態を声に出して言うことが大事だと思います。
そして障害の無い人々は、少しでも良いので障害について知る・興味を持つことから始めて、自分の周囲に障害だけでなく病気・ケガ・家の事情など様々な理由で働き難さや生き難さで悩み・困っている人がいるのかな?と思い、改めて周囲を見て欲しいと思います。可能であれば、その障害や働き難さ、生き難さを解決するために自分が出来ることを考えてみることまで、1歩2歩と進めると嬉しいです。
障害のある人も、無い人も、自分に出来ることを小さな一歩で良いでの実行すると、それが100万人、200万人の行動となれば、厚生労働省が毎年70万人前後の統計数値を発表し、5年毎に障害者法定雇用率を改定し、それが多いだの少ないだの言わずとも日本の障害者の労働環境は必ず改善されると思います。
2023年・令和5年は、一人ひとりが小さな一歩で良いので前進しましょう! アンプティパ(小さな一歩) も皆さんと一緒に前進します。今年もよろしくお願いします。
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