■ 【障がい者(障害者)就職・採用・転職コラム】
先日、慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 特任教授の川森 雅仁先生とお話しをする機会がありました。その時に毎月引き落とされる自分の電話代の中に「電話リレーサービス料」がある意味を初めて知りました。そして、恥ずかしながら2021年7月1日より法律に基づき公共インフラとして電話リレーサービスが開始されたことも、川森先生との打ち合わせで初めて認識しました。
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/telephonerelay/index.html
川森先生は、NTTサイバーソリューション研究所・主任研究員から慶応義塾大学へ移ったエンジニアで、アクセスビリティの標準化においては世界レベルで活躍されており、020年度情報通信技術賞(総務大臣表彰)の受賞者でもあり、電話リレーサービスの普及啓発活動の一翼を法制化前から担われています。
先日の打ち合わせでは、川森先生が開発された電話リレーサービスを補完するシステム:ハイク(遠隔手話サービスで使うオンライン映像通信)のデモンストレーションも拝見することができたのですが、聴覚に障害がある方とのコミュニケーションにおいて、手話が出来なくても筆談でなんとかなると思っていた自分に対して、川森先生は「意志を疎通させる様々な方法の中に、日本語などの言語があることと同等に、手話という方法があり、聴覚に障害がある方や難聴の方の中には手話しか使いたくないという人や文字を学んでいない人もいるので、筆談でコミュニケーションを取りたくない人や筆談が出来ない人がいる。だから、手話通訳者がオンラインの画面を通じてコミュニケーションの支援を行う必要性がある」と説明をされました。
アンプティパとして独立する前のテンプスタッフ時代・2007年から障害者の就職&採用支援を行っていますが、聴覚障害の方が働く際に「電話対応はしない・させない」と「文字を見て、読むこと=筆談は可能である」ことは当然であるとずっと思っていました。しかし、川森先生から「2021年7月1日から、聞こえない・聞き難い人も電話を使うことが普通にできる日本になっているし、私の周りの若い聾唖の方々は電話を普通に使っているよ」、「手話という言語を使う人にとって、日本語や英語の文字を見て読むというのは違う言語も使うバイリンガルであることだよ」という説明をお聞きして、目から鱗が落ちた気がしました。
聴覚に障害がある方や難聴者には電話をしない・させないと何年ものあいだ思い込んでいて、いつの間にか自分だけの非常識となっていたことが、もしかしたら他にも同じような思い込み=非常識があるかも?とヒヤッとした川森先生との打ち合わせでした。やはり、様々な人と情報交換を行い、自分の知らないこと・気づいてないことを知ることは大事ですね。
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4月1日以降・2021年度もアンプティパ(小さな一歩)は、コロナ禍で厳しい状況であっても動き続ける人、どんなに小さな一歩でも良いので進み続ける人と共に活動します。引き続き、宜しくお願い申し上げます。
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